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1.IVS対応フォント:異体字とは何か?

こんにちは。カルチスタッフです。

今回からはIVS対応フォントについて説明していきたいと思います。

IVSとは、「Ideographic Variation Sequence」の略で、漢字異体字シーケンスのことです。「シーケンス」は、直訳では「順序」ですが、異体字を表示させるための仕組み、という風にイメージするとわかりやすいと思います。IVS対応フォントは漢字の異体字を表示させるための機能を備えたフォントです。

では、異体字とはなにか?と言うことについて説明していきたいと思います。

異体字とは、

漢字の一部のデザインが標準の字体とは異なるが、発音や意味が同じで、通用する漢字

です。標準の字体とは、広く一般に使われる字体を指します。

言葉だけだと説明がわかりづらいので、例を用いて説明したいと思います。異体字の有名な例に、

があります。

この文字は、JISX0213:2004が制定された時に1点しんにょうから2点しんにょうにデザインが変更になりました。日本語フォントはJIS規格に準拠してデザインされているものが多いため、現在ではパソコンなどで辻を変換すると2点の【辻】が表示されます。

しかし、人名などで使用する際には、1点しんにょうが必要となる場合があります。発音や意味が同じ「つじ」という2つの漢字ですが、今まで使用してきた歴史があるため、どちらかに統一させるというのも乱暴な話です。

そのため、一点の【つじ】を異体字と定義して使い分けよう、というのが異体字の概念です。

今までは、主にフォントを変更するか、外字を使用することによってしか1点しんにょうの【つじ】と2点しんにょうの【辻】を使い分けることが出来ませんでした。しかしIVS対応フォントを使用することで、フォントを変更したり、外字を使用したりしなくても異体字を使い分けることが出来るようになります。

ここまで、IVS対応フォントを理解する上で不可欠な「異体字」の概要について説明をしてきました。

IVS対応フォントについてご質問・ご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

カルチスタッフ

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