12.42023
3.タグテーブルの概要
こんにちは、カルチスタッフです。
前回、TTFファイルフォーマットのオフセットテーブルとテーブルディレクトリについてお話ししました。
今回は、TTFファイルが持つ3つのテーブルのうちの最後の1つ、
③タグテーブル
について概要を見ていきたいと思います。
タグテーブルには、必須テーブルと任意テーブルがあります。
必須テーブルはどのフォントにも必ず存在するテーブルです。
任意テーブルは、全てのフォントに存在するわけではありません。
例えばkernテーブルでは文字と文字の間の隙間、カーニングを設定することが出来ます。そのフォントのデザインに固有のカーニングが設定されているフォントは、kernテーブルを持ちますが、全てのフォントにカーニングの設定が入っているわけではありません。
では、必須テーブル、任意テーブルの種類を見ていきます。
必須テーブルの数は10種類です。
タグ | 名前 | 説明 |
cmap | 文字・グリフマッピング | 文字コードとグリフインデックスのマッピングを格納する。 |
head | フォントヘッダー | フォントのヘッダー情報を格納する。 |
hhea | 水平ヘッダー | 横書き用のヘッダー情報を格納する |
hmtx | 水平メトリクス | 横書き用の情報を格納する |
maxp | 最大プロファイル | 収録されている最大グリフ数など、項目毎の最大値を格納する |
name | 名前テーブル | フォントファミリ名・サブファミリ名・著作権注釈などのフォントに関連する文字列を格納する |
OS/2 | OS/2・windows
固有メトリクス |
OS/2・Windowsに固有の情報を格納する。 |
post | PostScript情報 | PostScript情報を格納する |
glyf | グリフ | 字形データを格納する |
loca | インデックス・位置 | 字形データのオフセットを格納する |
任意テーブルの数は30種類以上あります。
そのうち、日本語フォントでよく使用されているテーブルをいくつかご紹介します。
<< TrueTypeアウトライン関連テーブル>>
文字を描画する際に、計算に使用する値を格納する。
タグ | 名前 |
cvt | コントロール値テーブル |
fpgm | フォントプログラム |
prep | CVTプログラム |
<<ビットマップグリフ関連テーブル>>
ビットマップフォントに関する情報を格納する。
タグ | 名前 |
EBDT | ビットマップデータ |
EBLC | ビットマップ位置データ |
EBSC | ビットマップスケーリングデータ |
<<アドバンストタイポグラフィテーブル>>
カーニング、合字、文字の拡縮などについての情報を格納する
タグ | 名前 |
BASE | ベースラインデータ |
GDEF | グリフ定義データ |
GPOS | グリフ配置データ |
GSUB | グリフ置換データ |
just | ジャスティフィケーションデータ |
<<その他のテーブル>>
タグ | 名前 |
gasp | グリッドフィティング/
スキャンコンバーション |
hdmx | 水平デバイスメトリックス |
kern | カーニング |
LTSH | Liner threshold data |
PCLT | PCL 5 data |
VDMX | 垂直デバイスメトリックス |
vhea | 垂直メトリックスヘッダー |
vmtx | 垂直メトリックス |
ここまで、タグテーブルの概要について説明しました。
TTFファイルのフォーマットについてご質問・ご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
カルチスタッフ