4.42023
3.BMPファイルの画像データについて[1bitBMP]
こんにちは、カルチスタッフです。
前回は、Windowsで標準的に使われる画像ファイルである、ビットマップファイルのファイルの構成について説明しました。
前回、BMPファイルは、次の4つの領域で構成されていることを説明しました。
①ファイルヘッダ
②情報ヘッダ
③カラーパレット
④画像データ
今回からは、BMPフォーマットの具体例を説明したいと思います。
BMPファイルは汎用性があるフォーマットですが、ここでは、カルチで使用するBMPファイルのフォーマットに限定して説明します。
BMPファイルは、【④画像データ】の形式によってフォーマットが異なるため、【④画像データ】の種類毎に説明を進めたいと思います。
カルチで扱う【④画像データ】の形式は、大きく分けて5種類あります。
これは、【②情報ヘッダ】の【ビットカウント】の種類によって分けられます。
【ビットカウント】は1ドットを表現するために使用するデータサイズを格納します。つまり、使用する色数を表します。
ビットカウントの値 |
1ドットを表す値の範囲 |
色数 |
1 |
0x00~0x01 |
2色 |
4 |
0x00~0x0F |
16色 |
8 |
0x00~0xFF |
256色 |
24 |
0x000000~0xFFFFFF |
1677万色 |
32 |
0x00000000~0xFFFFFF00 |
1677万色 |
今回は、ビットカウントが1の場合の、1文字1ファイルのフォントファイルを例にして、BMPフォーマットを説明したいと思います。
例として、16x16の「永」の文字をBMPファイルフォーマットで表すことを考えます。Unicodeは0x6C38です。Windowsの標準アプリ「フォト」でbmpを見てみるとこのようになります。
まず始めに、イメージを持ちやすいよう、BMPファイルの4つの構成のうちの【④画像データ】から説明します。ビットカウントが1の場合、1ドットを表すのに使用できる領域は1bit、使用できる値は、0と1の2つになります。
画像データを指定する時のポイントを示します。
●黒ドットを0、白ドットを1で指定します。
【③カラーパレット】に対応しています。
カラーパレット0に0x00000000[RGB値の黒]
カラーパレット1に0xFFFFFF00[RGB値の白]
を指定するため、画像データの値もそれにあわせた値を使用することになります。フォントデータは白黒で使用することがほとんどなので、上記の値を使用しますが、色は任意に指定可能です。
●ボトムアップ形式で指定します。
【②情報ヘッダ】の【画像の高さ】に対応しています。ここに負数を設定するとトップダウン形式で格納することが可能です。トップダウンとは、左上から順番に、右下に向かってドットデータを格納していく方式です。
ボトムアップとは、左下から順番に、右上に向かってドットデータを格納していく方式です。
●画像の各行のバイト数を4の倍数に合わせる必要があります。
1行のデータのバイト数は以下の式で求めることが出来ます。
(横ドット数+7)/8
16×16のフォントデータの場合、
(16+7)/8=2
になるので、1行のデータのバイト数は2byteですが、BMPファイルでは、各行のバイト数を4の倍数に合わせる必要があるため、1行のデータのバイト数は4byteになります。
以上のポイントを踏まえて、画像データを作成すると以下のようになります。
1行のデータの3byte目、4byte目は使用していないので0x00を設定しています。
では、BMPファイルの先頭から順番に値を見ていきます。
①ファイルヘッダ
項目 |
サイズ |
値 |
内容 |
タイプ |
2 |
0x4D42 |
固定値 |
サイズ |
4 |
0x0000007E |
ファイルサイズ(byte) |
予約領域 |
2 |
0x0000 |
0 |
予約領域 |
2 |
0x0000 |
0 |
オフセットビット |
4 |
0x0000003E |
画像データ先頭までのオフセット |
●サイズ:
ファイルヘッダサイズ[14byte]+
情報ヘッダサイズ[40byte]+
カラーテーブルサイズ[4byte*2]+
画像データサイズ[(横byte数)4byte*(縦byte数)16byte]=
14byte+40byte+8byte+64byte=126=0x7E
●オフセットビット:
ファイルヘッダサイズ[14byte]+
情報ヘッダサイズ[40byte]+
カラーテーブルサイズ[4byte*2]+
14byte+40byte+8byte=62byte=0x3E
②情報ヘッダ
項目 |
サイズ |
値 |
内容 |
情報ヘッダのサイズ |
4 |
0x00000028 |
固定値:40 |
画像の幅 |
4 |
0x00000010 |
ピクセルで指定 |
画像の高さ |
4 |
0x00000010 |
ピクセルで指定 |
プレーン数 |
2 |
0x0001 |
固定値:1 |
ビットカウント |
2 |
0x0001 |
1:2色 |
圧縮形式 |
4 |
0x00000000 |
固定値:0(無圧縮) |
画像データのサイズ |
4 |
0x00000040 |
【④画像データ】のByte数 |
横解像度 |
4 |
0x00000EC4 |
固定値:3780(96dpi) |
縦解像度 |
4 |
0x00000EC4 |
固定値:3780(96dpi) |
パレット数 |
4 |
0x00000000 |
固定値:0 |
パレットインデックス |
4 |
0x00000000 |
固定値:0 |
●画像データのサイズ
横byte数×縦byte数=4byte×16byte=64byte=0x40
③カラーパレット
項目 |
サイズ |
値 |
内容 |
カラーパレット0 |
4 |
0x00000000 |
ビット0の時は黒色 |
カラーパレット1 |
4 |
0xFFFFFF00 |
ビット1の時は白色 |
ここまで、ビットカウントが1の場合のBMPフォーマットについて具体例を用いて説明しました。
ビットマップフォントのフォーマットについてご質問・ご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
カルチスタッフ