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2.<タイ語の文字の組み合わせルール>

こんにちは、カルチスタッフです。

前回はタイ語の⽂字の種類について説明しました。
⽂字には⼦⾳字・⺟⾳記号・声調記号などの種類があり、⺟⾳記号・声調記号は⼦⾳字と組み合わせて表⽰することがわかったと思います。
今回は、⼦⾳字と、⺟⾳記号・声調記号を組み合わせる場合のルールについて説明したいと思います。

前回、⼦⾳字の上下左右に⺟⾳記号・声調記号が配置されることを説明しました。
タイ⽂字を表⽰させる場合、単独の⼦⾳字と次に⽰す8個の⺟⾳記号は、⼦⾳字の左右にただ並べるだけで表⽰することができます。

<並べるだけで表⽰できる⺟⾳記号>20171127blog01

しかし、次に⽰す9個の⺟⾳記号、4個の声調記号は、⼦⾳字の上下に組み合わせて表⽰されるため、⼦⾳字との合成が必要です。また、⺟⾳記号のうちの1つは特別な合成が必要です。

<合成が必要な⺟⾳記号>20171127blog02

<合成が必要な声調記号>20171127blog03

<特別な合成が必要な⺟⾳記号>20171127blog04

以上を踏まえて、⼦⾳字と⺟⾳記号・声調記号の合成ルールについて説明したいと思います。
ルールは以下の4つです。

(1)⽂字の表⽰位置のルール
(2)⽂字の⼊⼒順序と合成位置のルール
(3)特殊な⺟⾳記号の合成ルール
(4)特殊な⼦⾳字の合成ルール

順番に⾒ていきましょう。

 

(1) ⽂字の表⽰位置のルール
タイ語の⽂字は、合成表⽰するために、それぞれの⽂字を表⽰する⾼さが決まっています。
表⽰位置は、下図【タイ語の階層(A〜G)】のように、第⼀層〜第四層に分かれます。
まずは、⼦⾳字・⺟⾳記号・声調記号のそれぞれの表⽰位置を⾒てみます。

■タイ語の階層(A〜G)■20171127blog05■⼦⾳字・⺟⾳記号・声調記号の表⽰位置■

・子音字=文字種別①20171127blog06

・母音記号=文字種別②20171127blog07

・声調記号=文字種別③20171127blog08①⼦⾳字
⼦⾳字は、主に第三層に表⽰され、⽂字の形によって第⼆層や、第四層に突き出るものもあります。

<第⼆層に突き出る⼦⾳>20171127blog09

<第四層に突き出る⼦⾳>20171127blog10

②⺟⾳記号
⺟⾳記号は、第⼆層か、第四層に表⽰されます。⽂字によって、第⼆層に表⽰されるか、第四層に表⽰されるかが静的に決まっています。

<第⼆層に表⽰される⺟⾳記号>20171127blog11

<第四層に表⽰される⺟⾳記号>20171127blog12

③声調記号
声調記号は、第⼀層か、第⼆層に表⽰されます。どちらに表⽰されるかは、前の⽂字によって動的に決まります。1つ前の⽂字が第⼆層に表⽰される⺟⾳記号であった場合は、声調記号は第⼀層に表⽰されます。それ以外の場合、声調記号は第⼆層に表⽰されます。

 

(2) ⽂字の⼊⼒順序と合成位置のルール
【(1) ⽂字の表⽰位置のルール】で説明したように、タイ語の⽂字は最⼤上下4 層に分かれます。しかし、1合成⽂字で4層すべてを使うことはありません。タイ語の合成⽂字は最⼤3 層で構成されます。
⼦⾳字の上下に声調記号・⺟⾳記号はそれぞれ1 個のみ付きます。1つの⼦⾳に⺟⾳記号が2 個以上付いたり、1つの⼦⾳に声調記号が2個以上付いたりすることはありません。最⼤の3 層となるケースは(例1)(例2)の2つです。
また、声調記号は⺟⾳記号の下に付くことはありません(例3)。

(例1) 上から声調記号−⺟⾳記号−⼦⾳字(⼊⼒順は、⼦⾳字−⺟⾳記号−声調記号)20171127blog13(例2) 上から声調記号−⼦⾳字−⺟⾳記号(⼊⼒順は ⼦⾳字−⺟⾳記号−声調記号)20171127blog14(例3) ⼦⾳字→⺟⾳記号→声調記号の順で⼊⼒した場合20171127blog15⼦⾳字→声調記号→⺟⾳記号の順で⼊⼒した場合20171127blog16*声調記号が⺟⾳記号の下につくことはないため、声調記号の後に⺟⾳記号を⼊⼒した場合は⺟⾳記号は表⽰されません。

 

(3)特殊な⺟⾳記号の合成ルール
⺟⾳記号のうち、下に⽰す⽂字だけは、表⽰のために特別なルールが必要です。20171127blog17【⼦⾳字】の次に【特殊な⺟⾳記号】が来ると、【特殊な⺟⾳記号】の上部のマル記号が移動して、前の⼦⾳字の上に付きます。

(例4)20171127blog18【声調記号付き⼦⾳字】の次に【特殊な⺟⾳記号】が来ると、【特殊な⺟⾳記号】の上部のマル記号は移動して、前の⼦⾳字の、⼦⾳字と声調記号の間に配置されます。

(例5)20171127blog19【⺟⾳記号付き⼦⾳字】の次に【特殊な⺟⾳記号】が来た場合は、【特殊な⺟⾳記号】は表⽰されません。これは、1 つの⼦⾳字に⺟⾳記号が2 個付くことがないためです。

 

(4)特殊な⼦⾳字の合成ルール
下に⽰す⼦⾳字は、第四層に表⽰される⺟⾳記号と合成する場合、⼦⾳字の形が変わります。

<特殊な⼦⾳字>20171127blog20<第四層に表⽰される⺟⾳記号>20171127blog21

(例6)20171127blog22(例6)を⾒ると、⼦⾳字の下部が消えて、⺟⾳記号に置き換わっていることがわかると思います。
また、特殊な⼦⾳字が、第⼆層につく⺟⾳記号、声調記号の両⽅と組み合わさる場合、⾒た⽬が4層のようになりますが、これは⼦⾳字に、⺟⾳記号と声調記号が1つずつ合成された3層で構成される⽂字と⾒なします。

(例7)20171127blog23以上がタイ⽂字を表⽰させるためのルールです。

ここまで2回に渡ってタイ語の⽂字、およびタイ⽂字の合成ルールについて説明してきました。

1.<タイ語の⽂字の種類>
2.<タイ語の⽂字の組み合わせルール>

タイ語は、ヒンディー語やアラビア語に⽐べ、⽂字を表⽰するためのルールがシンプルなので、理解しやすかったのではないかと思います。

カルチが提供するタイ語レイアウトエンジン作成ガイドは、今まで説明した内容をベースに、より詳しい説明を加えたドキュメントです。
⽂字の種類や組み合わせ⽅などをわかりやすく表にしているので、タイ語の知識がなくてもタイ語表⽰プログラムを作成することができます。

タイ語フォントについてご質問・ご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

カルチスタッフ

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